COMPUTEX 2026開幕 今年のテーマ「AI Together」が示す共創の時代
今年のキーワード「AI Together」がスピーチ全体を貫いた
2026年6月1日、台湾・台北にて「COMPUTEX 2026」の記者会見が行われ、業界関係者向けのGlobal Press Conferenceが無事開幕した。今年のテーマは「AI Together」。基調講演を担ったQualcommのCEO、クリスティアーノ・アモンをはじめ、主催団体台湾貿易センター(TAITRA)およびTaipei Computer Association(TCA)の代表者らが相次いで登壇し、AIと次世代コンピューティングが層を越え、領域を越え、国境を越えた共創の姿へと向かう現在地をあらためて確認した。会場内外には高い熱気が漂った。
今年のCOMPUTEXは規模においても過去最大を記録した。33カ国、1500社、6000ブースが出展し、展示エリアは南港展覧館1・2館、世貿一館、台北国際会議センター(TICC)へと広がり、チップからロボット、インフラから実装アプリケーションまでが一堂に並んだ。
会場にはAIへの期待とともに、「次の一手を誰が打つのか」という緊張感が漂っていた。近年のCOMPUTEXでは、AI戦略を最優先に掲げるメーカーの存在感が年々増し、展示会はもはや製品を並べる場ではなく、各社のAI戦略と開発思想を読み解く戦場となっている。今年のテーマ「AI Together」はその延長線上にある。昨年の「AI NEXT」が次の一歩を問うものだったとすれば、今年はAIと各種技術・各産業がいかに共創するかという論点への転換だ。グローバルなAIトレンドを先読みする前哨戦としてのCOMPUTEXの意義は、今年さらに深まった。
南港展覧館第2ホール7階のオープニング基調講演は、QualcommのCEOであるクリスティアーノ・アモンが行った。「AI Together」をテーマに、アモンは新サーバー製品ライン「Dragonfly」を発表。トークンはAI時代の通貨であり、新しいハードウェアーキテクチャによって、人間が生成・利用するトークンの数は急速に増加し、2030年までに世界中で数兆トークンに達するだろうと述べた。
さらにアモンは、「AI Together」の真の意味は、「エージェント型AI」が日常生活における主要なAI機能となり、AIがあらゆるデバイスやコンピューティングに遍在するようになるときにこそ実現すると述べた。
また開幕式では、TAITRA理事長の黄志芳(ジェームズ・ファン)とTCA理事長の陳俊聖(ジェイソン・チェン)が相次いで登壇し、AIがもたらす産業構造の変容と、その変革における台湾の立ち位置について、それぞれの見解を示した。
黄志芳は次のように語った。「AIはいわば人類の第二の知性とも言えるものであり、クラウド・エッジ・エンドポイント・ロボット・自動運転車といったあらゆる階層を横断する共創エコシステムへと進化しつつある。受動的なツールから、能動的なアクターへの変容も始まっている」彼は今年のテーマ「AI Together」を、この時代のAI発展の本質を示すものと位置づけた。「人類はAIとともに働くことをますます当然のこととして受け入れるようになるだろう」また、台湾がこのグローバルな共創において最も重要な位置を占めていると強調した。演算ハードウェアの供給者であるとともに、Physical AIおよびロボット応用の実装を推進する存在として「COMPUTEXこそ、この共創の最も重要な舞台のひとつだ」と述べた。
続いて登壇した陳俊聖は、COMPUTEXとInnoVEXの両イベントがすでにアジアにおけるAIエコシステムの核となっていると述べた。「台湾のサプライチェーンは、世界中のAI開発者にとって信頼できるパートナーだ。AIはもはや特定産業だけの課題ではなく、クラウド・エッジ・エンドポイント・ロボット・自動運転・都市ガバナンスを横断し、物理的な日常生活へと踏み込む重要な命題となっている」彼が特に言及したのは、ロボット&スマートモビリティゾーンが今年初めて台北世界貿易センター第1展示ホールに独立展開されたことだ。これはPhysical AIがキーワードから完全な産業チェーンへと転換する段階が、COMPUTEXにおいて実際に起きていることを示している。「未来のAIは一部の大企業だけのものではなく、エコシステム全体に属するものになる」と語り、AIにおける「共創」こそが、この時代の真のキーワードだと力説した。
6月2日からは展示ホール内での最新製品・技術の体験展示が正式に開放される。各社がAIをいかに実装し、「AI Together」というテーマのもとでどのように差別化を図るか――それが今後4日間、最も重要な観察ポイントとなる。
