オーストラリアの上院報告がルートボックスの「包括的な見直し」を勧告
「ゆるい勧告ひとつ」だけの報告をオーストラリア緑の党が批判。
オーストラリア上院環境通信参考委員会は、ビデオゲームのルートボックスに関する最終報告を提出した。“チャンスベースのアイテムのためのゲーム内課金についての報告”はひとつの勧告でしめくくられた。オーストラリア政府は「ビデオゲームにおける包括的な見直しを行なう」というものだ。
通信芸術省、オーストラリア通信メディア庁、オーストラリア公正取引委員会、ネット安全コミッショナー局、オーストラリア等級審査委員会、社会福祉課によって行なわれた報告は見直しを勧告している。
ルートボックスの利用によって起こるギャンブルの危険性にふみ込んださらなる調査が行なわれるべきである
「この見直しについては、ルートボックスの利用によって起こるギャンブルの危険性にふみ込んださらなる調査が行なわれるべきである。具体的には、オーストラリアの規制の枠組み内に存在する規制とポリシーの相違を確認する、ルートボックスを含んだビデオゲームに関連した分類方式の妥当性を調査する、現在の消費者保護の枠組みが適切にルートボックス独特の問題に対処しているかどうかを検討する、オーストラリアのこの問題への取り組みを国際的な問題と一致したものとする」とこの報告では述べられている。
オーストラリア緑の党WA選出のジョーダン・スティール・ジョン上院議員はこの最終評決を不服としており、この報告での対応はオーストラリア緑の党によって非難されている。
「多くのルートボックスは、さまざまな比率強化のスケジュール、罠、いつでも入手できる手軽さなどといった、そのほかのギャンブルによく見られる心理的なメカニズムを利用しています」と、今晩の報告の発表に続いて出された声明でスティール・ジョン上院議員は述べている。
「加えて、ルートボックスの利用で、子どもや若者、脆弱な成人にギャンブルによる危害が及ぶ危険性は、規制を行なう機関がルートボックスを含むゲームへのアクセスを禁止、もしくは、規制を求めるべきであるほどに重大な問題であることが議論されています」
「議長として、私はこの証拠に従いたいと考え、ギャンブル的なメカニズムによって搾取されるようなビデオゲームをする若者がいなくなるよう、行動を起こすことを議会に求めました」
スティール・ジョン上院議員によると、労働党と連合の勢力によるこの尽力によって彼は多数の票を得て勝利しているが、委員会の「考慮された、適切な勧告」は「政府の見直しに向けてのゆるいひとつの勧告」に置き換えられており、「こういったタイプのゲーム内のメカニズムとギャンブルの類似点に関してはまったく言及がありませんでした、特に(ポーカーマシンとの類似点です)。調査で示されている膨大な証拠にもかかわらず!」とスティール・ジョン上院議員は述べている。
「この調査は若者を危害から守る機会だったのです。その機会は失われてしまいました。労働党と連合政府はどちらもが(ポーカーマシン)産業でもうけて、若者の安全の前に置く寄付を準備するからなのでしょう」
オーストラリアは世界人口の0.3パーセントを占めるが、世界のポーカーマシンのシェアの18パーセントを占めている。
全世界的にビデオゲーム産業は2022年までに160億ドル(USD)になると予測されており、産業の収入の47パーセントはゲーム内課金によるものである、と報告にはある。
世界中のそのほかの政府もまた、現在、ルートボックスはギャンブルとするかどうかという問題に取り組んでいるが、「ルートボックスをギャンブルとするかどうかについての全世界的に一致した見解は結論に達していない。この問題を扱うための統一的アプローチの採択もされていない」と結論づけている、と報告では認めている。
「ルートボックスは均一的なものではなく、さまざまなメカニズムが存在しているということに留意するのは重要である」と報告では述べられている。「特に、ルートボックスを入手するには、ゲームプレイの達成や現実世界の貨幣を使っての直接購入などを含むさまざまな方法がある。ルートボックスは、そのゲーム内のヴァーチャルアイテムを換金できるかどうかによって、また異なってくる可能性もある」
「コミュニティが懸念しているのは、ビデオゲーム内のルートボックスのメカニズムが通常のギャンブルやギャンブルのようなものになる可能性だということは委員会は認識している。また、子どもや脆弱な成人がビデオゲーム内のルートボックスのメカニズムに接することでギャンブルによる危害に苦しむ可能性があることも認識している」
今年6月、“チャンスベースのアイテムのためのゲーム内課金”についての調査は環境通信参考委員会に付託されていた。
ルートボックスの規制はこの1年、色々な地域で話題となっているが、その反応はさまざまで、禁止し始めた国(ベルギー、オランダなど)もあれば、ギャンブルの基準には該当しないとしている国(ニュージーランド、英国、アイルランドなど)もある。