『紅の砂漠』のレビューは賛否両論?歴史を変えるオープンワールドか、それとも粗削りな野心作か

レビュワーをも圧倒する野心

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待望のオープンワールドRPG『紅の砂漠』のレビューがついに解禁された。IGN JAPANでも独自のレビューを掲載予定だが、圧倒的なボリュームもあり、掲載できるまでもう少し時間がかかりそうだ。この記事では海外レビューを分析し、本作の評価の傾向を見ていきたい。

レビュー集積サイトMetacriticでは、記事執筆時点で85件のレビューが掲載されており、78点のメタスコアを獲得している。決して低いスコアではないものの、多くのユーザーの期待を下回っている印象が拭えない。

現に、本作は多くのレビューで『ウィッチャー3 ワイルドハント』、『レッド・デッド・リデンプション2』、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、『The Elder Scrolls V: Skyrim』、『グランド・セフト・オートV』といった歴史に残るオープンワールドと比較されるほどのタイトルだ。

しかし、各レビューを細かく見ていくと、決して平凡な作品ではなく、そういった作品と同等の魅力やポテンシャルが十分にあることがわかる。むしろ野心的すぎるくらいだ。そのスケール故の問題が多くのレビュワーにとって足かせになり、結果としては賛否両論の現状があると言っても過言ではなさそうだ。

90点以上のスコアを付与したレビューは21件と、全体の4分の1ほどで決して少なくない。「新しいスタンダードを築いた」、「今後のゲームが本作を超えることは至難の技」といった大賛辞まである。

例えば、The Outerhaven(100点)は「いくつか細かな問題はあるものの、『紅の砂漠』はこの種のオープンワールド体験において新たな基準を打ち立てており、今後の作品がそれに匹敵するのは極めて難しいだろう」と評している。ここ10年の最も野心的なゲームで、オープンワールドにおける景色、NPC、アクティビティなどの作り込みがほかの追随を許さないという主張だ。

Gamers Heroesも同様に満点をつけているが、オープンワールド以上に戦闘を高く評価しており、「『DARK SOULS』はもう忘れろ――『紅の砂漠』こそが新たな基準だ」とまで豪語している。

「本作は屈指の難易度を誇るボス戦を備えているだけでなく、求められる忍耐力、意志の強さ、そしてプレイヤースキルの水準においても、新たな金字塔を打ち立てている」

このふたつのレビューを照らし合わせると、『紅の砂漠』がいかに多様性に満ちたゲームであるかも見えてくる。オープンワールドを探索するだけで夢中になれるのかもしれないし、戦闘で釘付けになるかもしれない。もちろん、ストーリーもサイドクエストもミニゲームも街も大自然もあるし、世界観にしてもハイファンタジーにスチームパンクやSF要素を織り交ぜている。

だが、あまりにも多くの要素を内包しているからこそ、そのすべてを好まないプレイヤーも出てくる。

IGN Portugal(80点)によると「『紅の砂漠』は、ありとあらゆる要素を同時に取り込もうとする野心的な作品だが、その複雑さゆえに最終的には自らの重みに押し潰されてしまっている」のだ。

「途方もない数のゲーム要素を同時に扱っており、そのいくつかはどうしても取りこぼされてしまっている。それでも本作はまったく動じることなく前に進み、まるでそれすら演出の一部であるかのように笑顔で押し通してくる」というPC Games(75点)の記述が、本作の「野心的すぎたアプローチ」を的確に言い表しているように思える。

本作の要素で最も多くのレビューが問題を指摘しているのは主にストーリー、バトル(主にボス戦)、そして操作感だ。

「『紅の砂漠』は圧倒的なスケールの世界における意義ある探索と息を呑むような景色を提供してくれるし、実にスリリングな戦闘を体験させてくれる。しかしその輝きは、焦点の定まらない過剰なシステム群や弱い物語、そして一貫性を欠きがちな戦闘によって、時折損なわれてしまっている」とInsider Gaming(70点)

「『紅の砂漠』は美しく、興味深く、インタラクティブな世界を備えた巨大な作品であり、その探索は大きな喜びをもたらしてくれる。膨大なコンテンツ量には驚かされるし、興味深いパズルや多彩なギミック、そしてキレのある戦闘がプレイヤーを引きつける。しかし全体としては、出来の悪いボス戦や退屈なストーリー、独創性に欠けるクエストの数々、さらに操作やUIの不親切さによって、その印象が損なわれてしまっている」とGames.czも評している。

このふたつのレビューは――先述したように――欠点が共通しているが、それだけではない。高く評価している部分も、同じくオープンワールドのビジュアルや探索、そして通常の戦闘だ。これは、60点台のレビューでさえ、そのように書かれていることが多い。

「『紅の砂漠』は広大でビジュアルも圧巻だが、その世界を存分に楽しむには、いくつかの妥協が必要になる。操作はかなり癖があり、慣れるまでに時間がかかる。(中略)クエストのデザインやゲームプレイの導線は、ここ最近で体験した中でも最悪クラスだ。ストーリーにはまったく心を動かされず、キャラクターにも興味を抱けない。緻密で活気あるオープンワールドや高品質なアニメーション、多彩な要素によって没入感を高めているにもかかわらず、それを自ら損なってしまっている」と4P.de(60点)が書いている。

このレビュワーは本作のオープンワールドの魅力を認めていないわけではない。しかし、それを妨げる要素があまりにも支配的すぎるという主張だ。一方で、こうした問題点を認めつつ、ゲームの魅力が勝っているという考えのレビュワーも少なくない。

例えば、大手メディアGameSpotは70点という控え目なスコアをつけながら、スリリングで探索する価値のあるオープンワールドや、プレイヤーの表現力に重きをおいた奥深い戦闘システムを高く評価しており、「一貫性に欠けるが、それでもほかに類を見ない独自性を放っている」と書いている。

GameRant(80点)によると、本作を楽しめるかどうかは、導線が薄くても自分でゲームの流れをつかむのが得意であるかどうかによる。

「『紅の砂漠』は自分なりに試行錯誤しながら物事を理解していくことを楽しめるプレイヤーにこそ強く刺さるだろう。探索や長期的な成長要素を重視する人にとっては、たとえ手探りで学ぶ場面が多くとも、十分に掘り下げがいのある体験が用意されている。一方で、より洗練された進行や明確な導線、強い物語性を求めるプレイヤーにとっては、その道のりは報われるものというより、ストレスの多いものに感じられるかもしれない」と書いているのだ。

『紅の砂漠』は期待されていたような万人向けのオープンワールドではないのかもしれないが、適正さえあれば夢中になれるゲームだという。

GamingBolt(80点)によると、マップの広さは異常で、ほかの大作オープンワールドが小さく思えてくるほどだという。それでいて、クエストやミニゲームなど、決して密度が低いわけではない。オープンワールドに興味を持っているユーザーにとって、少なくとも一度は触れてみる価値は十分にあると考えて良いだろう。

『紅の砂漠』はまれに見るほどのスケールや多様性のあるゲームで、それだけにレビューを読めば読むほど、筆者も自分が向いているかどうかがわからなくなっていく。それもまた、『紅の砂漠』らしいと言えるのかもしれない。きっとどのプレイヤーにとっても落胆する瞬間があり、大好きになる場面があるのだろう。それだけ、『紅の砂漠』は様々な顔を持ち合わせているゲームのようだ。 「広大、野心的、圧倒的、美しい、スリリング、緊張感あふれる、欠点のある――『紅の砂漠』を形容する言葉はいくらでも思い浮かぶ。だが、「退屈」という言葉だけは当てはまらない。」というRadio Times(80点)の言葉で、この記事を締めくくるとしよう。

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