NAT / NAPT / ポートフォワードの違い

目次

違いのまとめ

変換対象 仕組み 主な用途
NAT IPアドレス IPアドレスを別のIPアドレスに置き換える 1:1公開、踏み台、アドレス再配置
NAPT IPアドレス+ポート番号 IPアドレスとポート番号の両方を変換。多数のプライベート端末が1つのグローバルIPを共有できる。 多数端末のインターネット共有
ポートフォワード 受信側の宛先IP/ポート 外部から来る特定ポートを、内側のホスト/ポートへ固定的に振り分ける 内部サーバ公開(HTTP, SSH など)

NAT (Network Address Translation)

NATとは、IPアドレスを別のIPアドレスに置き換える技術のことです。

 

流れ

PCからルーターを使用してサーバーに送信するとき

送信元のIPアドレスを、プライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変換します。

例:192.168.2.1(送信元) → 130.0.0.1(送信先)

 

サーバーからルーターを使用してPCに送信するとき

送信先のIPアドレスを、グローバルIPアドレスからプライベートIPアドレスに変換します。

例:192.168.2.1(送信元) ← 130.0.0.1(送信先)

 

NATの問題点

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスが1対1で対応するためプライベートネットワークのPCが増えると対応できません。

NAPT (Network Address Port Translation)

NAPT(ナプト)とは、IPアドレスとポート番号を組み合わせて変換する仕組みです。

1つのグローバルIPアドレスを、ポート番号を使い分けることで複数の機器で共有できます。

NATを拡張したもので、現在の家庭・企業ネットワークで広く使われています。

 

流れ

PCからルーターを使用してサーバーに送信するとき

PCが2台ありそれぞれサーバにアクセスしに行きます。その際ポート番号が同じだったとします。

ルーターは、送信元PCのIPアドレスとポート番号を変換します。

サーバは、このIPアドレスとポート番号によってそれぞれのPCを判別できます。

例:
192.168.2.1:50111(送信元) → 130.0.0.1:50111(送信先)
192.168.3.1:50111(送信元) → 130.0.0.1:50112(送信先)

 

サーバーからルーターを使用してPCに送信するとき

ルーターがサーバへ送信したときの送信元の情報(PCの情報)を覚えていて元のIPアドレスとポート番号に戻します。

例:
192.168.2.1:50111(送信元) ← 130.0.0.1:50111(送信先)
192.168.3.1:50111(送信元) ← 130.0.0.1:50112(送信先)

 

NAPTのメリット

IPアドレスの節約 1つの契約(1つのグローバルIP)だけで、家族全員のスマホやPC、家電を同時にネットに繋げられます。
セキュリティの向上 外部からはルーター(グローバルIP)しか見えず、中にある個別の機器のアドレスは隠されているため、直接攻撃を受けにくくなります。

 

IPマスカレード

IPマスカレードは、NAPTと同じ意味です。

呼び名 主に使う場面
静的IPマスカレード Linuxの設定、日本のルーターメーカー
NAPT 教科書、技術仕様書、ベンダー中立な文書

ポートフォワード (Port Forwarding)

ポートフォワードとは、ルーターやファイアウォールが特定のポート宛に来た通信を、内部ネットワークにある特定の機器(PCやサーバーなど)へ転送する仕組みのことです。

 

イメージ図

 

インターネットからの通信は、まずルーターのグローバルIPアドレスに届きます。

ルーターは内部に複数のデバイス(PC、サーバーなど)を持っていますが、どのデバイスに転送すればいいかわかりません。

そこでこのポート番号宛の通信は、このデバイスのこのポートへ送るというルールを設定するのがポートフォワードです。

 

よくある使用例

  • 自宅サーバーの公開 — 自宅のPCで動かすWebサーバーやgameサーバーを外部に公開する
  • リモートデスクトップ — 外出先から自宅PCに接続する
  • 防犯カメラの遠隔監視 — カメラ映像を外からスマホで見る
  • NAS(ネットワークストレージ)へのアクセス — 自宅のデータに外からアクセスする

 

セキュリティ上の注意点

ポートフォワードを設定すると、外部からアクセスできる経路が開くため以下に注意します。

  • 必要なポートだけを開ける(不要なポートは閉じておく)
  • 強いパスワードを設定する
  • ファイアウォールと組み合わせて使う
  • 使い終わったら設定を削除する

 

静的IPマスカレード

静的IPマスカレードは、ポートフォワードとほぼ同じ意味です。

静的IPマスカレード ヤマハ(YAMAHA)など日本のルーターメーカー独自の呼び方。
ポートフォワーディング 一般的・汎用的な呼び方(世界共通)。 ポートを転送するという動作そのものを指します。
ポート開放 家庭用ルーターでの呼称。 日本の家庭用ルーターのメニュー画面などでよく使われる言葉です。

関連の記事

インターネットVPN / IP-VPN / 広域イーサネットの違い
プロキシサーバ / リバースプロキシサーバの違い

△上に戻る