青い空を見上げていた、小学2年生の私
〜痛いよりも恥ずかしかった、あの日の私へ〜
キキキィーーー、ドーーーーーン。
小学2年生だった私は、集団登校の集合場所へ行くために、
横断歩道がない道を渡ろうとしていました。
車と車の間から顔を出して、
右を見て、
左を見て、
右を見て。
さぁ渡ろうとした、
その時!
左から来ていた車に気づかず、
私ははねられました。
ここからは、
誰でもなんとなく想像がつくと思います。
はねられて、
人が集まってきて、
救急車に乗り……。
そんな流れを想像しました?
想像しましたよね?
でも、
違うんです。
私は気づくと、
ランドセルを背負ったまま、
道路に仰向けで倒れていました。
はい。
集団登校の時間です。
なんと見ている人の多いこと。
私は急に恥ずかしくなりました。
そして、
むくっと起き上がり、
自分の班の集合場所まで歩いていきました。
あれよあれよと大人が集まってきて、
「救急車を呼ぶんだー」
「大丈夫?」
そんな声が聞こえた気がします。
でも私にとっては、
とにかく恥ずかしさでいっぱいでした。
多分、顔は真っ赤になってたと思います。
集まった大人のひとりが、
すぐ目の前に小さな個人病院があることに気づきました。
「ここに病院あるよ。
ここに行けばいい」
そんなふうに言われて、
私は歩いてその病院に入っていきました。
その先生は、
普段からお世話になっている先生だったので安心したのを覚えています。
「レントゲンとるね」
「痛いところはない?」
その先生の声で、急に体に痛みが走りました。
痛い。
痛いよ。
足が痛い。
その時は大きな腫れはなかったと思います。
ただただ、鈍痛の痛みが続いていました。
レントゲンの結果、
骨に異常はありませんでした。
折れてもいないし、
ヒビも入っていない。
大丈夫。
よかったね。
ランドセルに守られたんだね。
先生が母に、
そんなふうに言っていた気がします。
わたしは、車にはねられたのに、
「大丈夫」というお墨付きをもらってしまった。
心の中で、
そんなふうに感じていたのかもしれません。
そのまま母と病院を出て、
家に着くなり、母からは、
「学校に行きなさい」のひと言。
子ども心に、
今日くらい休ませてほしいよー。
なんで行くの?と思った気がします。(多分)
私は、
まだ仕事に出かけていなかった父に、
「あのー、今、車にはねられたので、学校まで送ってくれない?」
と頼みました。
父は、
「そっか。わかった」
とだけ言ったと思います。
大丈夫か?と聞かれた記憶がありません。
多分、記憶から抹消されたか、言われなかったかのどちらかでしょう。
今思えば、
大丈夫くらい言ってもいいだろー。
そんなふうにも思います。
そんな状態で学校に遅刻していったので、
クラス中で、
ちょっとしたニュースになっていました。
なんなら、
「お前、5メートルくらい飛ばされてたぜ」
という男子もいたくらいです。
そんなふうにクラスの男子が騒ぐので、
担任の先生に前に来るように言われ、
事故の状況を説明するようにと、黒板の前に立たされたことは
うっすらと私の記憶に残っています。
説明するよう言われたところで、
当の本人(わたし)が知るわけがありません。
車にぶつかった瞬間から、
目を開けるまでの記憶がないのですから。
どれだけ飛ばされたのかもわからない。
どんな車だったのかもわからない。
ただ覚えているのは、
道路に仰向けで倒れたまま見上げた空が、
青かったということだけです。
今思えば、
車にひかれたその日に学校に行くなんて、ありえない出来事だったと思います。
今ならわかります。
ちゃんと警察を呼んで、
病院で検査をしてもらうような、
大ごとだったのだと。
でも当時の私は、
何よりも、まず恥ずかしかったんです。
まわりに見られていること。
大ごとになっていること。
自分が注目されていること。
それが、
たまらなく恥ずかしかったのだと思います。
今振り返ると、
私が人の目を気にしながら生きてきたことと、
この日の記憶は、
どこかでつながっているのかもしれません。
「大丈夫?」と聞かれる前に、
自分から大丈夫なふりをする。
本当は休みたいのに、行かなきゃいけないと思う。
痛いよりも先に、迷惑をかけていないかを気にする。
そんな自分の始まりのような記憶が、
この日の中にある気がします。
過去の記憶をひとつずつ思い出すことで、
昔の私を迎えに行くような、慰めてあげるような気持ちで
少しずつ書いてみようと思います。
あの日、
青い空を見上げていた小学2年生の私へ。
本当は、
怖かったよね。
痛かったよね。
恥ずかしかったよね。
今日くらい、
休みたかったよね。
今なら、そう声をかけてあげたいです。
P.S.わわたしを守ってくれたランドセルは、6年間、一度も凹むことなく使えました。教科書がたくさん入っていたおかげで、あと少しのところで、頭を打たずに済んだみたいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



奇跡のような話しですね😳
とりあえず無事で良かった(^_^;)
ランドセル、素晴らしい^^ 共感しました。私も小学生の頃、周りを気にして、恥ずかしいからと、言えないことがいっぱいあったのを思い出しました。そんな子供の頃の自分に、感じたことを、そのまま言っても良いんだよ。我慢しなくても良いんだよ。大丈夫だよ。と声をかけたくなりました。はなももさん、ステキな記事をありがとうございます🎶☺️