一目でわかるNeural Accelerator
- Neural Acceleratorは、Apple Silicon M5世代で初搭載されたGPUコア内蔵型のAI処理ユニット
- ★従来のNeural Engine(固定16コア)とは別に、各GPUコアにAI処理機能を統合した新技術
- ★GPUコア数に応じてスケール。M5は10基、M5 Proは最大20基、M5 Maxは最大40基
- ★M4世代比でピークAI処理性能が最大4倍、M1比では最大6倍
- 行列演算(マトリックス乗算)に特化し、LLMの推論処理を大幅に高速化
- Metal 4のTensor APIで開発者が直接プログラム可能
Neural Acceleratorの概要
Neural Acceleratorは、AppleがM5世代のApple Siliconで導入した新しいAI処理アーキテクチャだ。従来のApple SiliconではAI処理を担当するのは固定の16コアNeural Engineだったが、M5ではそれに加えて、GPUの各コアにNeural Acceleratorと呼ばれるAI専用の演算ユニットが組み込まれた。
この設計により、AI処理の負荷がGPUコア数に応じてスケールするようになった。上位チップほどGPUコアが多く、Neural Acceleratorの数も増えるため、プロ向けチップでのAI性能が飛躍的に向上する仕組みだ。
仕組み
GPUコア統合型アーキテクチャ
Neural Acceleratorは各GPUコアの内部に直接組み込まれており、行列乗算(マトリックス・マルチプリケーション)に特化した演算ユニットだ。行列演算は大規模言語モデル(LLM)の推論や画像生成AIなど、多くの機械学習ワークロードで中核をなす処理である。
GPUコア内に統合されているため、AIワークロードは全GPUコアで並列に実行され、別のプロセッサにデータを移動させる必要がない。この分散アーキテクチャにより、データの移動に伴うオーバーヘッドが削減され、処理効率が大幅に向上する。
Neural Engineとの違い
Neural EngineとNeural Acceleratorは共存する別のコンポーネントだ。M5世代では、従来どおりの16コアNeural Engineに加えて、GPUコアごとのNeural Acceleratorが搭載されている。
| 項目 | Neural Engine | Neural Accelerator |
|---|---|---|
| 登場 | A11 Bionic(2017年) | M5チップ(2025年) |
| 配置 | 独立した専用プロセッサ | GPUコアの内部に統合 |
| コア数 | 全チップ共通で16コア | GPUコア数に比例(10〜40基) |
| スケーリング | チップグレードに関係なく固定 | 上位チップほど増える |
| 得意な処理 | 推論全般、画像認識、NLP | 行列演算、LLM推論、AI画像生成 |
| 開発者API | Core ML | Metal 4 Tensor API |
これまでのApple Siliconでは、ベースチップでもProチップでもMaxチップでもNeural Engineは同じ16コアだった。Neural Acceleratorの導入により、M5 Maxの40基はM5の10基に対して4倍のAI演算リソースを持つ。上位チップを選ぶ意味がAI処理の観点からも明確になった。
チップごとのスケーリング
| チップ | GPUコア数 | Neural Accelerator数 | Neural Engine |
|---|---|---|---|
| M5 | 10コア | 10基 | 16コア |
| M5 Pro | 最大20コア | 最大20基 | 16コア |
| M5 Max | 最大40コア | 最大40基 | 16コア |
性能
Neural Acceleratorの搭載により、M5世代のピークGPU AI処理性能はM4比で最大4倍、M1比で最大6倍に向上した。
LLMの推論処理においては、最初のトークン生成(Time-to-First-Token)で最大4倍の高速化が確認されている。一方、後続トークンの生成速度はメモリ帯域幅に依存するため、M4比で19〜27%の向上にとどまる(M5のメモリ帯域幅153GB/sはM4の120GB/sから約28%向上)。つまり、Neural Acceleratorは演算能力を飛躍的に向上させるが、連続的なトークン生成ではメモリ帯域幅がボトルネックになる。
開発者向け情報
開発者はMetal 4で導入されたTensor API(TensorOps)を使って、Neural Acceleratorを直接プログラムできる。Metal Performance Primitives フレームワークもNeural Acceleratorの機能をサポートしている。
Core MLやMetal Performance Shadersなど既存のAppleフレームワークを利用しているアプリは、特別な対応なしにNeural Acceleratorによる性能向上の恩恵を受けられる。MLXフレームワークもMetal 4のTensorOpsを活用してNeural Acceleratorに対応している。
搭載チップ・デバイス
Neural Acceleratorは以下のチップに搭載されている。
- M5(2025年10月〜)— MacBook Pro 14インチ、iPad Pro、Apple Vision Proに搭載
- M5 Pro(2026年3月〜)— MacBook Pro 14/16インチに搭載
- M5 Max(2026年3月〜)— MacBook Pro 14/16インチに搭載
M4以前のApple SiliconにはNeural Acceleratorは搭載されていない。AI処理は16コアNeural Engineのみで行われる。
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