同じ散歩は二度とない
森田真生さんの『偶然の散歩』。
その中に、こんな一節があった。
「同じ散歩は二度とない。」
読んだ瞬間、いい言葉だなと思った。
でも今日、子どもと犬と散歩に出て、
それがただの言葉ではなく、現実なんだと感じた。
いつもの道。
いつもの散歩コース。
いつもの犬。
いつもの子ども。
そう思っていた。
でも、同じではなかった。
子どもは少しずつ大きくなっている。
昨日より背が伸びたかもしれない。
歩く速さも、話す言葉も、見つけるものも、少しずつ変わっている。
犬は犬で、今日はキリンを見つけた。
なぜ道にキリンがいるのか。
そこはよく分からない。
でも犬は見つけた。
以前は子供がピクミンを見つけた。
今日はキリン。
散歩は素敵だ。
ただ歩いているだけなのに、
毎回ちがうものが落ちている🤣
毎回ちがう会話がある。
毎回ちがう風が吹いている。
子どもが何を見つけるか。
犬がどこで立ち止まるか。
自分が何に気づくか。
それは、その日になってみないと分からない。
だから、同じ散歩は二度とない。
大げさに聞こえるけれど、たぶん本当にそうなのだと思う。
同じ道を歩いていても、
今日の子どもは今日だけ。
今日の犬も今日だけ。
今日の自分も今日だけ。
いつか子どもは大きくなって、
一緒に散歩に行く回数も減っていくのかもしれない。
犬も、いつまでも同じように歩けるわけではない。
そう考えると、
なんでもない散歩が、急に少し大切なものに見えてくる。
「早く帰ろう」
「暑いな」
「蚊がいるな」
そんなことを思いながら歩く日もある。
でも、その時間も、もう一度同じ形では戻ってこない。
今日の散歩は、今日だけ。
子どもの背中を見ながら、
犬が地面をくんくんしているのを見ながら、
そのことを静かに受け止めた。
日置さん、素敵な本を紹介してくださってありがとうございます。
本の中の言葉が、
今日の散歩の景色を少し変えてくれました。
同じ散歩は二度とない。
そう思うと、
明日の散歩も少し楽しみになる。
次は何を見つけるんだろう。
ピクミンか。
キリンか。
それとも、まだ名前のない何かか。



