【開催レポート】「こどもまんなか すみだフォーラム」が開催されました

3月5日に、墨田区曳舟文化センターで「こどもまんなか すみだフォーラム」が開催されました。
本フォーラムは、CFCをはじめとした地域の団体と墨田区が協働で運営する「ハロカルホリデーすみだ実行委員会」が主催したものです。
平日夜の開催にもかかわらず、当日は地域で活動されている方や行政の方、子ども支援や教育に関わる方など、60名以上の方にご参加いただきました。
■CFC代表・今井による基調講演
フォーラム前半では、CFC代表の今井が「多様な体験を すべての子どもに」をテーマに基調講演を行い、子どもたちを取り巻く体験格差の現状や、地域で体験機会を支えていく意義などについてお話ししました。

今井は、体験格差の背景には家庭の経済状況だけでなく、地域とのつながりの有無や情報へのアクセスのしやすさなど複合的な要因があると指摘し、地域の催しや活動の情報が届かないことで、子どもたちの体験の機会が限られてしまう現状について触れました。
また、子どもの体験機会を「権利」として捉える視点が社会に求められていることにも言及しました。
北欧では余暇の時間を「自分のことを自分で選び、自分で決める時間」と捉える考え方があることを紹介しながら、子どもたちが「やってみたい」と思うことを自ら選び、挑戦できる機会を社会としてどのように保障していくのか、社会的合意の形成に向けて議論していく必要があると語りました。
また、体験を通じて地域とつながっていくことが子どもたちにポジティブな影響を与えることをお話ししたうえで、「今日ここに集まってくださった皆さん一人ひとりが、よき大人として、地域の中で子どもたちと関わってほしい」と呼びかけました。
■「ハロカルホリデーすみだ」関係者によるクロストーク
後半では、2025年夏に実施された「ハロカルホリデーすみだ 2025」に関わった5名が登壇し、それぞれの立場から取り組みの意義や実践について語りました。
はじめに、実行委員会委員長の今井から、ハロカルホリデーすみだのコンセプトや2025年の実施状況を紹介。
「まち全体が体験の場」をコンセプトに実施された2025年の取り組みでは、約4か月の期間中に地域の人々によって319回の体験活動が生まれ、累計3,000名以上の子どもたちに多様な体験機会が届けられました。


(キャプション)地域コーディネーターの伊藤聖実さん/株式会社ハチオウの榎本舞さん
続いて、地域コーディネーターの伊藤聖実(さとみ)さんが登壇。
「コーディネーターは、地域の大人の『こんなことをやってみたい』という声を受け止める相談窓口のような存在」と話し、新たな体験プログラムを作った事例についてお話ししました。
例えば、普段は会社員として働く地域の方が、趣味のクラフトバンドを活かしたワークショップを開催した事例を挙げ、「プロでなくても、規模が大きくなくても、地域の大人の挑戦が子どもたちに新しい体験を届けることにつながる」と話しました。
また、実際に体験プログラムを提供した企業の立場から、株式会社ハチオウの榎本舞さんが登壇。
社員約10名で協力し、夏祭りの縁日をイメージした科学体験プログラムを企画した経験を紹介しました。
「子どもたちは本物に触れると目の色が変わり、自分で考え始める」と語り、企業・行政・地域がそれぞれの役割を担うことで子どもの豊かな体験につながると感じたと振り返りました。


(キャプション)墨田区で子ども食堂を運営する高木基裕さん/墨田区子ども支援課
地域住民の立場から登壇した高木基裕さんは、自身が運営している子ども食堂と連携し、子どもたちが地域の人に振る舞うお汁粉づくりの体験を実施したことを紹介。
自分たちで工夫をこらしながら作ったものを「おいしかったよ」と喜んでもらう経験が、子どもたちにとって豊かな体験になると語りました。
最後に、墨田区子ども支援課より、行政の立場から「ハロカルホリデーすみだ」の意義に言及しました。
2025年に制定された「墨田区子ども条例」において子どもの体験機会の確保が定められていることに触れ、「ハロカルホリデーすみだ」はその理念を具体化する取り組みの一つであると説明。
「これほど大勢の大人が関わって子どもの体験を考える取り組みはほかにない」として、地域の大人と子どもをつなぎながら体験機会を広げていく取り組みになることを期待していると語りました。
フォーラムの最後に今井は、ハロカルホリデーすみだの取り組みについて「子どもたち一人ひとりの『やってみたい』を大切にする活動」であると改めて語り、会を締めくくりました。
今回のフォーラムでも紹介されたように、ハロカルホリデーすみだでは、住民や地域団体、企業、行政など多様な立場の大人の関わりにより、地域の中に新たな体験の場が生みだされています。
「ハロカルホリデーすみだ」は2026年度の実施も予定しており、4月下旬には体験プログラムを提供してくださる事業者の募集を開始する予定です。
地域で子どもたちの体験機会を広げる取り組みに、ぜひ多くの皆さまにご参画いただけますと幸いです。(詳細は後日、Webサイトを通じてお知らせします)