性別が見えない場所で、やっと生きやすくなった
ずっと、来世は男性に生まれたいと思っていた
以前の私は、女性であることをハンデのように感じていました。二十数年前、就職活動をはじめたあたりから、女性であることで嫌な思いをする場面が数えきれないほどあったからです。
たとえば就職活動中、企業説明会に行ったら「女性は一般職のみです」と言われ、別の部屋を案内されたこと。私はそのまま参加せずに帰りました。
役員面接、最終面接に辿り着いても、「何年かしたら結婚して辞めるでしょ」という扱いを受けること。
総合職として入社している同期の中で、女性だけがお茶出しを求められたこと。仕事の成果をフラットに評価してもらえないと感じる場面があったこと。
年始の挨拶に来た取引先の方が、男性社員の席には名刺を置いていくのに、女性の席には置かずに帰って行くこと。
転職先で、仕事で評価されていると思っていた上司から、私の掃除の仕方を見て「いいお嫁さんになる」と言われたこと。
一つひとつは些細なことだし、その場では「またか」と思って流してきました。相手に悪意がないことも分かります。
でも、「それ、男性には言わないし、やらないですよね」と感じることが何度も積み重なるうちに、私は「女性」という性別に対する先入観を持たれることを面倒だと感じ、「女性として生きていること」自体に悔しささえ感じるようになっていきました。
似たようなことは、仕事だけでなく、地域の自治会でもありました。
夫が役員決めのくじ引きで自治会長を引いたのですが、「自分にはできない」と言って帰ってきました。
仕方なく、私がやりますと前の自治会長さん(男性)に挨拶に行くと、最初に言われたのは「重責ですが、大丈夫ですか」という言葉でした。
悪意はないのだと思います。うちの自治会は男性ばかりだったので、女性が役員、ましてや自治会長をやることはなかったからです。
その後、引き継ぎなどのやり取りを重ねたあと、その方は私のことを「聡明な方」と言ってくださいました。
彼にとっては褒め言葉だったのだと思います。
でも、同年代・同じ立場の男性に対して「聡明」という言葉を使うだろうか、とまた違和感を覚えてしまいました。表向きは能力を認めてもらっているようでいて、「女性にしては」と、少し上から人物評をされているような感覚があったのです。
ただ、その一年が嫌なものだったかというと、まったく違いました。
一緒に役員をした方たちに恵まれ、コロナ禍だったこともあり合理化を進めやすいタイミングでもあったからです。自治会長としての活動は想像以上に面白く、仕事とはまた違った達成感を得て、活動を終えることができました。
ある日、翌年度の役員会に顧問的な役割で出席したあと、帰ろうとしたら、一緒に役員をしていた元副会長から「ちょっと来てもらえますか」と呼び止められ、集会所の別の部屋へ。
するとそこには昨年度の役員全員が集合していて、花束とケーキを手渡され、最後に手作りの感謝状。ちゃんと「一緒に仕事をした人」として受け入れてもらえたことがわかり、自分の鎧を一つおろせたと感じた瞬間でした。
2021年には、オンラインのコミュニティ、NinjaDAOに参加。それまで実名のコミュニティにしか参加したことのなかった私にとって、「言わなければ性別がわからない」というのはありがたいことでした。だから敢えて、男性なのか女性なのか分からないハンドルネームをつけました。
これは、私にとって一つの実験でもありました。性別も、年齢も、見た目も、職業も分からない状態からはじめたら、私は周りの人たちとどんな人間関係を築けるんだろう。
NinjaDAOで、CNPに関わるようになった2022年以降も、私は自分の性別を意識的に隠し続けていました。プライベートな話も、声も出さないようにしていました。
でも、その状態のまま、少しずつ役割が増えていきました。
発信する。資料を作る。企画を進める。イベントの準備をする。プロジェクトを前に進めるために必要なことを、一つずつやる。
そうしているうちに、性別が見えない状態でも、信頼関係は積み上がっていきました。
CNPのファウンダーであるRoadさんにとって、私が男性でも女性でも、本当にどちらでもよかったのだと思います。「行動」と、「何を大切にしているか」が見られている、と感じていました。
私は、人の耳障りのいい「言葉」よりも、その人の行動や選択を信用します。だから、最初にお会いする前から、私はRoadさんに対して全幅の信頼を置いていました。
そして、最初にオフラインの場に出たのは、2023年12月のライセンシングジャパンでした。
Roadさんとも、その設営現場で初めてお会いしました。それまでテキストのやり取りしかしたことがなかったのですが、その後も良い意味で、印象が変わることはありませんでした。
そして、CNPが生まれたNinjaDAOがそういう場所であったことには、イケハヤさんのお人柄が大きく影響していると思っています。
私は2010年頃から、イケハヤさんのブログを読んでいました。
オンラインで一方的に存じ上げているだけの関係ではありましたが、独立したタイミングが近かったり、共感することが多かったりして、文章を通じて少しずつ信頼を重ねてきた感覚があります。
直接会ったことがなくても、行動を見れば、その人が何を大切にしているのかは伝わる。オンラインでそれを体感できたことは、私にとって大きなことでした。
性別によるプラスもマイナスもなく、「行動」をフラットに見てもらえる。こういう空気と文化のある場所をつくってくださったことに、今もとても感謝しています。
そして、「来世は男性に生まれたい」と思うほど長く抱えていたやっかいな感情は、NinjaDAO・CNPを楽しむ生活を続けてきた中で、かなり薄くなりました。
今はもう、来世の性別についてはあまり考えていません。
どちらかというと、かわいい犬に生まれたいですね🐕
性別は、私の一部ではある。
でも、私の説明文の一行目ではなくていい。
そう思えるようになったことは、私にとってかなり大きな変化でした。



いつもながら心掴まれる文章。
そういえばBoxさんのこと女性とも男性とも思ってなかったですね〜、どちらかと言うと男性よりだったかも。
一度プロポーズしたことありましたが、あの時は私も中性だったので、勘でした😅
Boxさんの言葉に本当にうなずくことばかり。
そして同じような思いを感じたことがあるのでその時の違和感について
ただただ共感しかありません。
NinjaDAOという場所で自分ができることがあるとわかって
CNPというプロジェクトに携わることができることは本当に幸せです。
Boxさんを始めDAOやプロジェクトを作り上げてきたくれたこの素敵な場所に感謝っす🙏
本当にありがとうございます✨