Pixiv ID:117106143
本作《幸運EX+++バディによる哭倉村RTA⑱》是数字ID为42545004的P站画师@湶リク的一张分辨率为2800x2000,主题为Kitarou Tanjou: Gegege no Nazo,ゲゲゲの谜,Gegerou,幸运EX+++バディによる哭仓村RTA,致死量レベル山盛り泽庵再び,鬼太郎诞生:咯咯咯之谜,ゲゲ郎,泽庵の咒い,水木,Mizuki,The Mystery of Gegege,突击!隣の晩ごはん,长田幻治等标签的插画作品。
水木とゲゲ郎が酒盛りを始め、互いの胸中を語り合い、より絆が深まった頃。
「――美味しい肴はいかがですかな?」
「むっ、お主は…」
「あんた確か、村長の……」
「長田です」
夜明けの近い、薄っすらとした暗がりの中から≪ツンッ≫とする強い匂いと共に長田が現れた。
先日見かけたときには無かった厚いガーゼが、顔の中心に貼られている。
(村長ってのはそんな怪我する仕事なんかねぇ。それともこいつがそそっかしいだけか?)
何故か生傷の絶えない長田を不思議に思いながら、猪口の残り少ない酒をチビチビと舐める。
水木の視線に気付いた長田は「ああ、これは先ほど妻に鼻フックされまして……私が至らないばかりに、優しくて穏やかな妻に暴力を振るわせてしまいました。気にしないで下さい」と、微笑む。
なかなか物騒な内容に、ゲゲ郎は無理矢理話題を変えた。
「生憎だが、お主に分けるほどの酒も猪口も無いぞ」
「結構です。私、酒は飲まないので……それより、こちらをどうぞ」
「……そ、それは……」
「自家製の沢庵です」
紫の風呂敷から、見たことのある真っ黄色の沢庵が姿を現した。今回も馬鹿みたいに山盛りだ。
一昨日の晩、ゲゲ郎の膳として出され、二人掛けで懸命に消費した沢庵である。
暫く沢庵は食べたくないと心底思っていた元凶が、再び目の前に……。
(うわ食いたくねぇ……!)
長田は徐(おもむろ)に水木の正面に座ると、三人の中心に沢庵を鎮座させる。
空気を読んで小型化した鶴瓶火さんの火が、終始笑顔に見える長田の顔を怪しく照らしていた。
「趣味で家庭菜園をやってまして、今年は異常な豊作だったんです」
『……』
「村中にお裾分けしているんですが、なかなか減らなくて」
『……』
「ここ半年、我が家は朝昼晩、主菜が大根飯で、おかずも大根料理なんです。
美味しいんですよ、妻が作る料理は。……あっ、妻は庚子様という見目も声も大変可憐で美しい女性なんですけど」
『……』
「まあ、庚子様について語りだすと2,000時間あっても足りないので、この場は割愛しますが」
『……』
「話を戻しますね。味は本当に良いんですよ。自慢の大根です。
……もっとも最近の村民は、お裾分けを回避するために、私の顔を見るなり逃げ出すんですけれどね」
『……』
「美味しいんですよ、本当に。それに……捨てるなんて……ぐすっ、勿体無い、じゃないですか……ぐすっ……」
「分かった分かった! 食えばいいんだろう! 食うよ!」
「食べ物を粗末にはできんな! 有難く頂戴しよう!」
後半笑顔のまま、はらはらと涙を流しながら語られる大根事情に、根負けしてしまう。大根だけに。
ゲゲ郎と一瞬視線を合わせると、同時に沢庵に手を伸ばす。
(ええい、南無三!)
散々食べたしょっぱい思い出の再来に、水木は沈痛の思いを抱きながら口に放り込む。
≪ポリポリ…ポリポリ…≫
(あれ? これは……)
「これは美味い沢庵じゃな。一昨日食ったのも悪くなかったが(量はさておき)これは塩気が丁度いい」
そう、一昨日食べたものとは一線を画す美味さだった。
ほのかなしょっぱさと、鼻をすっと抜ける香りが癖になりそうだ。
「分かりますか!! この沢庵は、うちの時弥が初めて漬けたものなんです!!」
「なんと、時ちゃんが!」
「あの子は聡明なだけでなく、漬物を作る才能もあるみたいで……うっ……」
屈託ない笑顔を浮かべたかと思うと、急に長田は滝のように涙を流し始めた。
肩まで震わせ、本気(ガチ)泣きである。
「おい、お前まで泣き上戸かよ。一滴も飲んでないくせに」
「まさか匂いだけで酔いおったのか?」
自分より泣いている長田に少し酔いが醒めたのか、ゲゲ郎はスンッと泣き止んだ。
ゲゲ郎は人間嫌いではあるが、生来のお人よしである。
泣き出す長田に対し、耳を傾けようと静かに居住まいを正したのを見た。
「アフターファイブなので今の私は…家庭不和と中間管理職の身の振り方諸々に悩む一人の男。
――これから話すのは全て独り言です」
(水木よ、あふたーふぁいぶ、とは何じゃ?)
(仕事終わった後の自由時間、みたいな感じだ)
話の腰を折らないように小声でやりとりをする。
ざっくりとした意味を理解したゲゲ郎が、話を促した。
「ふむ。話くらいは聞いてやろう」
「実は私、裏鬼道衆なんですけど」
「ぶっ!」
「うらきどーしゅー? 何だそりゃ」
吹き出したゲゲ郎に、今度は水木が質問する。
話の軸になるような専門用語は理解する必要があるからだ。
ゲゲ郎はすっかり酔いが醒めたようで、長田の胸倉を、鬼気迫る形相で掴んだ。
「我ら幽霊族を狩ってきた、外法を操る陰陽師の一派じゃ!!」
「何だって!?」
「話を……独り言の続きをさせてください。お願いします」
その声は悲痛の色そのものだった。
=====================
追加の沢庵を持参して現れた長田に、警戒する人も多かったでしょう。私もその一人です。
まさかゲゲ郎が「美味い沢庵じゃな」と褒めたことで、伝説の男子会が始まるとは思いませんでしたね。
また
「さらってきた人をこっそり逃がして劇団死期の協力を得て誤魔化していること」
「劇団員に支払う給金をへそくりで賄ってきたが、限界が近いこと」
「採取される血液が少ないのを怪しまれていること(血桜を遠隔で弱めているから)」
などを涙ながらに語る長田の表情と声色に胸が痛みました…。情報量多いのに…。
でも庚子さんとの馴れ初め(声の所為で「なんか長田くんって裏切りそうだよね」とからかわれていた学生長田を、同じく声が可愛すぎることで悩んでいた庚子さんが庇った…というエピソード)は甘酸っぱかったですね!
=====================
【追記】
今回の⑱→⑫⑯に至る過程も、長田の回想という形で書(描)く予定です。
このシリーズでは長田は(どちらかと言えば)善人寄りだけど、愛妻家苦労性不憫属性でお送りしています。
水木とゲゲ郎が酒盛りを始め、互いの胸中を語り合い、より絆が深まった頃。
「――美味しい肴はいかがですかな?」
「むっ、お主は…」
「あんた確か、村長の……」
「長田です」
夜明けの近い、薄っすらとした暗がりの中から≪ツンッ≫とする強い匂いと共に長田が現れた。
先日見かけたときには無かった厚いガーゼが、顔の中心に貼られている。
(村長ってのはそんな怪我する仕事なんかねぇ。それともこいつがそそっかしいだけか?)
何故か生傷の絶えない長田を不思議に思いながら、猪口の残り少ない酒をチビチビと舐める。
水木の視線に気付いた長田は「ああ、これは先ほど妻に鼻フックされまして……私が至らないばかりに、優しくて穏やかな妻に暴力を振るわせてしまいました。気にしないで下さい」と、微笑む。
なかなか物騒な内容に、ゲゲ郎は無理矢理話題を変えた。
「生憎だが、お主に分けるほどの酒も猪口も無いぞ」
「結構です。私、酒は飲まないので……それより、こちらをどうぞ」
「……そ、それは……」
「自家製の沢庵です」
紫の風呂敷から、見たことのある真っ黄色の沢庵が姿を現した。今回も馬鹿みたいに山盛りだ。
一昨日の晩、ゲゲ郎の膳として出され、二人掛けで懸命に消費した沢庵である。
暫く沢庵は食べたくないと心底思っていた元凶が、再び目の前に……。
(うわ食いたくねぇ……!)
長田は徐(おもむろ)に水木の正面に座ると、三人の中心に沢庵を鎮座させる。
空気を読んで小型化した鶴瓶火さんの火が、終始笑顔に見える長田の顔を怪しく照らしていた。
「趣味で家庭菜園をやってまして、今年は異常な豊作だったんです」
『……』
「村中にお裾分けしているんですが、なかなか減らなくて」
『……』
「ここ半年、我が家は朝昼晩、主菜が大根飯で、おかずも大根料理なんです。
美味しいんですよ、妻が作る料理は。……あっ、妻は庚子様という見目も声も大変可憐で美しい女性なんですけど」
『……』
「まあ、庚子様について語りだすと2,000時間あっても足りないので、この場は割愛しますが」
『……』
「話を戻しますね。味は本当に良いんですよ。自慢の大根です。
……もっとも最近の村民は、お裾分けを回避するために、私の顔を見るなり逃げ出すんですけれどね」
『……』
「美味しいんですよ、本当に。それに……捨てるなんて……ぐすっ、勿体無い、じゃないですか……ぐすっ……」
「分かった分かった! 食えばいいんだろう! 食うよ!」
「食べ物を粗末にはできんな! 有難く頂戴しよう!」
後半笑顔のまま、はらはらと涙を流しながら語られる大根事情に、根負けしてしまう。大根だけに。
ゲゲ郎と一瞬視線を合わせると、同時に沢庵に手を伸ばす。
(ええい、南無三!)
散々食べたしょっぱい思い出の再来に、水木は沈痛の思いを抱きながら口に放り込む。
≪ポリポリ…ポリポリ…≫
(あれ? これは……)
「これは美味い沢庵じゃな。一昨日食ったのも悪くなかったが(量はさておき)これは塩気が丁度いい」
そう、一昨日食べたものとは一線を画す美味さだった。
ほのかなしょっぱさと、鼻をすっと抜ける香りが癖になりそうだ。
「分かりますか!! この沢庵は、うちの時弥が初めて漬けたものなんです!!」
「なんと、時ちゃんが!」
「あの子は聡明なだけでなく、漬物を作る才能もあるみたいで……うっ……」
屈託ない笑顔を浮かべたかと思うと、急に長田は滝のように涙を流し始めた。
肩まで震わせ、本気(ガチ)泣きである。
「おい、お前まで泣き上戸かよ。一滴も飲んでないくせに」
「まさか匂いだけで酔いおったのか?」
自分より泣いている長田に少し酔いが醒めたのか、ゲゲ郎はスンッと泣き止んだ。
ゲゲ郎は人間嫌いではあるが、生来のお人よしである。
泣き出す長田に対し、耳を傾けようと静かに居住まいを正したのを見た。
「アフターファイブなので今の私は…家庭不和と中間管理職の身の振り方諸々に悩む一人の男。
――これから話すのは全て独り言です」
(水木よ、あふたーふぁいぶ、とは何じゃ?)
(仕事終わった後の自由時間、みたいな感じだ)
話の腰を折らないように小声でやりとりをする。
ざっくりとした意味を理解したゲゲ郎が、話を促した。
「ふむ。話くらいは聞いてやろう」
「実は私、裏鬼道衆なんですけど」
「ぶっ!」
「うらきどーしゅー? 何だそりゃ」
吹き出したゲゲ郎に、今度は水木が質問する。
話の軸になるような専門用語は理解する必要があるからだ。
ゲゲ郎はすっかり酔いが醒めたようで、長田の胸倉を、鬼気迫る形相で掴んだ。
「我ら幽霊族を狩ってきた、外法を操る陰陽師の一派じゃ!!」
「何だって!?」
「話を……独り言の続きをさせてください。お願いします」
その声は悲痛の色そのものだった。
=====================
追加の沢庵を持参して現れた長田に、警戒する人も多かったでしょう。私もその一人です。
まさかゲゲ郎が「美味い沢庵じゃな」と褒めたことで、伝説の男子会が始まるとは思いませんでしたね。
また
「さらってきた人をこっそり逃がして劇団死期の協力を得て誤魔化していること」
「劇団員に支払う給金をへそくりで賄ってきたが、限界が近いこと」
「採取される血液が少ないのを怪しまれていること(血桜を遠隔で弱めているから)」
などを涙ながらに語る長田の表情と声色に胸が痛みました…。情報量多いのに…。
でも庚子さんとの馴れ初め(声の所為で「なんか長田くんって裏切りそうだよね」とからかわれていた学生長田を、同じく声が可愛すぎることで悩んでいた庚子さんが庇った…というエピソード)は甘酸っぱかったですね!
=====================
【追記】
今回の⑱→⑫⑯に至る過程も、長田の回想という形で書(描)く予定です。
このシリーズでは長田は(どちらかと言えば)善人寄りだけど、愛妻家苦労性不憫属性でお送りしています。
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