群馬県の八ッ場ダムは全国的に知られているが、同じような問題を抱える長崎県の石木ダムはほとんど知られていない。どちらも数十年も前に計画され、どちらも当初の建設目的に疑問が呈されると新たな目的に替わり、どちらも多くの人を立ち退かせた。だが石木ダム予定地では、土地が一部強制収用されても、まだ13世帯が住み続けている。そして、座り込み行動、収用委員会の開催阻止、監視小屋の設置などで徹底的に工事開始を阻んでいる。本書は、その地権者たちや、支援者、弁護士が、半世紀以上に及ぶ闘いの歴史とその問題点をできるだけ平易に書き表した、石木ダム問題を知る入門書でもあり、決定版でもある。反対運動を始めたときの10代、20代の青年たちは今還暦を超えた。昨年、今年と立て続けに裁判闘争も開始したが、この闘いを終わらせるためにも、まずは本書を読んで理解をしてほしい。
